イギリスのサイエンスコミュニケーション一覧 | hillbridge

イギリスのサイエンスコミュニケーション一覧

イギリスのサイエンスコミュニケーション関連機関や活動がウィキ大学(Wikiversity)というところにまとめられている。イギリスにいても把握できないくらいよくまとまっている。
http://en.wikiversity.org/wiki/Topic:Science_Communication_in_the_UK

この一覧のなかで、私が注目したのが、third streaming activity。それは、大学の二つの大きな活動である研究と教育に加えて、第三の活動として、地域貢献や社会貢献をしていくべきだという考え。研究者は、パブリックな活動、社会事業、文化芸術活動に関わりなさいね、ということを高等教育にお金をだす大元のところが6年前から言っているらしい。それも、ただ地域貢献だといっているわけではなく、大学のお金の流れ、地域への貢献度、そういうことをしっかり調査した上で、第三の活動をもっとしていきましょうといっているらしい。
http://www.u-kokusen.jp/foreign/london-h1903-2.html


ちなみに、高等教育政策研究所で第三の活動についてレポートしているのははたけやまさんという方。
http://www.hepi.ac.uk/pubdetail.asp?ID=203&DOC=reports

カズオイシグロみたいな日系の方だろうか。

そういうトリビアはいいとして、私もサイエンスコミュニケーションは地域貢献や社会事業として考えていくのがまともな道だと思っている。でも、地域貢献や社会貢献とかはわかりやすい指標もインセンティブもつくりずらいので、いきおい消極的になりがちだ。だから、お金の出元のところで、そういうことをしっかり言っていくのだろう。サイエンスコミュニケーションというと(狭義の)科学リテラシーだとか理系進学支援とか研究推進とか、短期的なスパンの活動を考えてしまいがちだけど、大学や研究に関する地域や社会の理解を深めていくという長期的な戦略もともなってはじめて、うまくまわっていくのだろう。大学も、意識的な制度作り、ディレクションが必要になってくる。なんか、前のエントリーのジャーナリズムの話みたいだ。